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ハイライトと目

久しぶりにイラストを描くことを再開したのだけど、キャラクターの顔における表現技法について感じたことがあるので軽くここで触れてみる。

漫画やアニメ調の顔のイラストにおいて、その第一印象を決めるのはおそらく目だと思う。キャラクターの性格、感情などその多くが目によって表現されていることが手元にあるマンガやアニメを見ても感じさせられる。

どうしてこのことについて触れるかと言うと、イラストを描いている時に目のハイライト表現で疑問に思ったことがあったから。ハイライトとは、光があたって最も明るく見える部分を表現するものなんだけど、目におけるハイライトが人間に与える印象は大きい。一例を挙げると、女性でかわいく明るいキャラほどハイライトが多用され、男性で暗い地味なキャラにはハイライトが無いことが多いといった感じ。また感情表現だと、楽しいときにはハイライトが入り、心が無の状態においてはハイライトが消えるといったところ。(ちなみに、デフォルトでハイライトが無い目のことを「ベタ目」というらしい。)

さて、話を戻して何に疑問を感じたかを話す。目のハイライトの度合いは現実世界においては近くの光源に左右され、実際の性格や感情とは全くもって関係のない事象である。では、どうしてイラストにおいてはハイライトが重視されるのだろう?

最近たどり着いた答えは、「目以外に表現できる箇所が少ないから」というもの。二次元のイラストの顔において最も省略されがちなもの、それは「顔の立体感」。凹凸や陰影をあまり使わずに表現するマンガ絵においては、表情をつかさどる頬や顔の筋肉を描くことが難しい。そうすると、画像を見たときに本来あるはずの情報がないから、他の箇所から情報を得ようと描かれている目に注目する。結果として、目に口ほどにものを言ってもらっているのじゃないかな。

よく目が死んでいると言われるばるとしては、目に頼らずに感情を表現できるよう絵の技術を磨きたい、と思う今日この頃。

2020/6/28