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アレントとヘーゲル

ここ数ヶ月、色々なことを考えるうえで必ず行き当たる哲学者が2人います。ハンナ・アレントとヘーゲルです。「演じる」「役割」「行為」「責任」「義務」「公共空間」「国家」などなど、こういった概念について思考を深めていくなかで避けては通れない気がします。

まだ『演じる』では触れてはいないですが、これまで論考してきたことと近いことをアレントとヘーゲルも言及していることがあります。アレントだと『責任と判断』のプロローグ(ソニング賞スピーチ)で触れられている公的な場に現れることにかんする論及、ペルソナ、このもの性。ヘーゲルの場合、自体・対自・対他の弁証法、『精神現象学』などが当たります。

昨今、「公と私」にかんする問題がいろいろとあると思うのですが、こうした問題を考えるうえでもどうしてもこの2人の考察は非常に参考になる気がします。

最近ばるが考えていくなかで重要な概念だと感じているものは、上にも記した「役割」「役」という概念です。重要性を感じる理由はいくつかあるのですが、ひとつは日本における責任概念について考えるうえで、この「役」というものをどのように扱うかが、責任概念の普遍化可能性を左右すると考えているからです。もうひとつは、先述のとおり「演じる」こと「公共空間」について考えるうえで避けられないということです。

細かいことについては今後論考していきたいと思いますが、今一番思っていることは「役」という言葉が意味する内容は文化によって異なっているのではないかということですね。まあ、これはまだ直観にすぎないので間違っているかもしれませんが。

ということで、今回は少しお堅く真面目な内容でしたので、もう少しゆるい話題も投稿したいと思います(笑)

2021/8/13