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タイムパラドックスものにおいて異なる世界が平行して存在しているという考え方をとるパラレルワールド解釈は面白いけど、この解釈につきものなのは「後悔」という心理。シュタインズ・ゲートなんてその典型例かな。

あの時、Aという選択をしていれば違う世界線に移れたはずなのにという考えはどうやら多くの人にとって当たり前の心理のようである。なぜかばるにはこの考え方が生じることがあまりない。多くの人なら後悔するような場面でも、違う可能性があったかもと考えることが少ない。ばるにはパラレルワールドがないのかも。

未来が過去になるから現在があるっていう話が『モモ』であったんだけど、この発想は割とおもしろい。未来が過去になった結果、現在後悔している自分が発生する。すなわち、異なる未来が過去になれば後悔していない自分のいる現在が生じるということになる。となると、後悔する人にとっては異なる未来を事前にその分岐点においてある程度予想できていたということなのだろうか。

ばるが後悔しない理由はそこにあるのかもしれない。つまり、あらかじめ未来というものを予想したり、計画したりすることがないということ。無計画だから失敗するんだとか、無策だから後悔するんだという言葉は、ばるには響かない。むしろ無計画で無策だから、後悔という念がほとんど生じないのだ。

2020/8/14